白ロムは契約の入っていない端末本体そのもの、赤ロムは通信を止められて使えなくなった端末を指します。中古で売られている端末はほぼすべて白ロムで、そのうち前の持ち主の支払いが滞るなどした一部が、あとから赤ロムに変わります。
この記事では、2つの言葉の意味と語源、赤ロムになる仕組み、購入前に見る判定の読み方、赤ロムをつかまないための買い方、なってしまった場合の対応、そして売る側が気を付ける点までを整理します。
赤ロムと白ロムの違い 早見表
まず整理しておきたいのは、この2つが対等な分類ではないという点です。白ロムという大きな枠の中に、あとから赤ロムに変わってしまうものがある、という関係になります。
| 用語 | 意味 | 通信できるか |
|---|---|---|
| 白ロム | 契約者の情報が入っていない端末本体そのもの | できる(自分の回線を入れれば使える) |
| 赤ロム | 通信会社によって通信を止められた端末 | できない(その回線では通信できなくなる) |
| 参考:黒ロム | 契約者の情報が入ったままの端末を指す古い言い方 | 前の契約のまま。中古市場では出回らない |
中古で売られている端末は、ほぼすべてが白ロムです。そこに自分の回線を挿せば普通に使えます。問題は、購入したあとに前の持ち主側の事情で通信が止められ、赤ロムに変わってしまう場合があることです。
| 状態 | 通話・通信 | 無線での利用 | カメラ・アプリ |
|---|---|---|---|
| 白ロム | 使える | 使える | 使える |
| 赤ロムになった場合 | その回線では使えない | 使える | 使える |
ここは誤解されやすい部分です。赤ロムになっても端末が完全に文鎮化するわけではありません。無線につなげばアプリも動きますし、カメラも使えます。止まるのはその通信会社の回線を使った通話とデータ通信です。
白ロムとは何か
「ロム」という言葉が入っているのは、携帯電話が本体に契約者の情報を書き込んでいた時代の名残です。書き込まれていない状態を白紙にたとえて白ロム、書き込まれた状態を黒ロムと呼びました。
今の端末は契約情報をカードやプロファイルで持つため、本体そのものに契約は入っていません。つまり技術的には、現在流通している中古端末はすべて白ロムです。言葉だけが商習慣として残り、「中古の端末本体」という意味で使われ続けています。
| 使われ方 | 指しているもの |
|---|---|
| 「白ロムを買う」 | 回線契約なしで端末本体だけを買う |
| 「白ロム販売店」 | 中古の端末本体を扱う店 |
| 「白ロム転売」 | 安く仕入れた端末を売って利ざやを得ること |
3つ目の「白ロム転売」は、割引を目的に契約だけして端末を転売する行為を指して使われることがあります。通信会社の規約に反する場合があり、契約者側が不利益を被ることもあります。安く仕入れた端末が市場に出る背景として、この動きが赤ロムの発生源になることもあります。
端末だけを買う手順そのものはスマホ本体のみ購入で安い店はどこかにまとめています。
赤ロムになるのはどんなときか
赤ロムは、通信会社が特定の端末に対して「この端末では通信させない」という制限をかけた状態です。制限の対象は端末ごとに割り振られた固有の番号で管理されます。
| 止められる理由 | 誰の事情か | 買った人への影響 |
|---|---|---|
| 端末代金の支払いが滞った | 前の持ち主 | ある日突然その回線で通信できなくなる |
| 盗難・紛失として届け出があった | 元の所有者 | 同上 |
| 不正な契約に使われた端末 | 契約した人 | 同上 |
買った人にはまったく非がないのに使えなくなる、というのがこの仕組みのつらいところです。しかも、購入時点では問題がなくても、数か月後に制限がかかる場合があります。実際に国民生活センターには、落札した中古端末が1か月半後に使えなくなったという相談事例が掲載されています。
「あとから変わりうる」という点が、この問題の本質です。買うときに大丈夫だったから安心、とはならないため、次章以降の対策が意味を持ちます。
判定の記号が意味するもの
通信会社は、端末の固有番号から現在の状態を調べられる仕組みを公開しています。結果は3つの記号で示され、それぞれ意味が違います。
| 記号 | 意味 | 買ってよいか |
|---|---|---|
| ○ | 現時点でネットワーク利用制限の対象ではない | 比較的安心して購入できる状態 |
| △ | 現時点では使えるが、分割払い中や購入後の確認期間などで将来判定が変わる可能性がある | 保証があるかを必ず確認する |
| × | すでに制限がかかっている(赤ロム) | その回線では通信できない |
中古市場では△の端末も流通しています。△は「悪い」という意味ではなく、分割払いの途中や、購入直後の確認期間中であることを示します。ただし前の持ち主が支払いを止めた場合や、不正な契約と判明した場合には×に変わる可能性が残ります。購入時は赤ロム保証の有無を必ず確認してください。
記号の確認手順や通信会社ごとの窓口については、ネットワーク利用制限とは何かで詳しく扱っています。購入前に自分で調べるなら、出品者から固有の番号を教えてもらう必要があります。番号を出せない出品は、それだけで避ける理由になります。
赤ロムをつかまない買い方
ここが実務でいちばん効く章です。結論からいえば、赤ロム保証を付けている販売店で買えば、この問題はほぼ解決します。保証があれば、あとから制限がかかっても交換や返金の対応を受けられるためです。
| 購入先 | 保証 | あとから制限がかかったら |
|---|---|---|
| 赤ロム保証つきの中古専門店 | あり | 店が交換や返金で対応する |
| 判定が○の端末 | 保証の有無によらず安心 | 赤ロムになるリスクは低い |
| 家電量販店の中古 | 店による | 購入前に条件を確認する |
| フリマアプリ・オークション | 基本なし | 出品者と個別に交渉することになる |
最下段が最も危険です。出品者と連絡が取れなくなれば、そこで終わりになります。数千円安く買えたとしても、端末の代金がまるごと無駄になるリスクと引き換えでは割に合いません。
買う前のチェックとしては、次の3点を押さえてください。
- 判定の記号が商品ページに書かれているか:○か△かが明記されているのが基本です
- 赤ロム保証の有無と期間:無期限としている店もあれば、期間を区切る店もあります
- 固有の番号を教えてもらえるか:自分で確認したい場合に必要になります
購入先ごとの違いは中古iPhoneを買うならどこがよいかにも整理しています。
赤ロムになってしまったら
手元の端末が赤ロムになった場合、取れる手は限られます。順番としては、まず買った先に連絡するのが基本です。
- 購入した店に連絡する:保証があれば交換または返金の対応を受けられます
- 出品者に連絡する:個人からの購入なら、契約解除や交換を求めることになります
- 他社の回線を試す:制限は原則としてその通信会社の回線に対するものです
- 無線専用として使う:通話とデータ通信を諦め、家の中で使う道は残ります
3番目については補足が要ります。制限をかけた通信会社の回線では使えませんが、別の会社の回線なら通信できる場合があります。ただし対応する周波数帯やSIMロックの状態によって結果は変わるため、確実とはいえません。試す価値はある、という程度に考えてください。
4番目は現実的な着地点です。音楽再生、目覚まし、動画視聴、子ども用の端末としてなら十分に使えます。回線を使わない用途に振り切れば、無駄にはなりません。SIMロックが関わっている可能性がある場合はSIMロック解除とは何かも確認してみてください。
白ロムを売るときの注意
視点を変えます。自分が売る側になる場合、分割の残債があるかどうかが最大の確認事項です。ここを把握しないまま手放すと、買った人に迷惑をかけることになります。
| 確認項目 | なぜ必要か |
|---|---|
| 分割払いが残っていないか | 残っていると判定が△になり、支払いを止めれば×に変わる |
| 一括で払い終えられるか | 完済すれば判定が○になり、査定にも有利になる |
| 初期化とデータ消去が済んでいるか | 個人情報を残したまま手放さないため |
| アカウントのロックを外したか | 外していないと次の人が使えない |
| 紛失の届け出を出していないか | 届け出が残っていると制限がかかる |
とくに1つ目と2つ目は、査定額にも直結します。分割が残ったまま売ること自体は禁じられていませんが、支払いを続ける責任は残ります。途中でやめれば、買った人の端末が使えなくなります。手元を離れたあとも支払い義務は消えない、という点は押さえておいてください。
売却前の準備はスマホ下取りの危険性と売却前の注意点にまとめています。
制度の見直しが進んでいる
知っておくと判断が変わる話です。総務省は2024年に、この仕組みを原則として禁止する方向で検討を進める方針を示しました。中古市場の健全な発展と、購入者が不利益を被る状況の解消を目的とした議論です。
- 制限の対象を絞る方向:盗難や紛失といった犯罪抑止に必要な場合に限る、という意見が出ています
- 支払いの滞りを理由にした制限:この扱いをどうするかが議論の中心になっています
- ガイドラインの改定:報告書の取りまとめを経て、改定へ進む流れが示されています
ただし、これは2024年時点で示された方向性であり、いつどこまで変わるかは確定していません。最新の状況は総務省や各通信会社の案内で確認してください。今後の運用は通信会社ごとの対応にも左右されます。現時点では、判定の記号を確認し、保証のある店で買うという基本は変わらないと考えてください。
制度が変われば中古端末の安心感は上がりますが、それを待つ必要はありません。保証のある買い方をすれば、今でもリスクは実質的に回避できます。
赤ロムでも買取できるのか
手放す側の疑問にも答えておきます。判定が×の端末でも、買取ができないとはかぎりません。通信を使わない用途や部品としての需要があるためです。ただし査定額は下がります。
判定が○か△かで査定額は変わりますし、×の端末も評価はできますが金額は大きく下がります。査定では、電源が入るか、画面割れの有無、バッテリーの最大容量、初期化とデータ消去が済んでいるか、箱や付属品が揃っているかを確認しています。分割の残債がある場合は事前にお知らせいただけると話が早く進みます。完済してから持ち込まれる方も多く、そのほうが結果的に手取りが増えることがあります。売却前のバックアップと初期化は必ず行ってください。
下準備の効果は大きい部分です。初期化とデータ消去を済ませ、画面と本体をきれいにし、箱や付属品を揃えておく。そのうえで、可能なら分割を完済してから査定に出すと判定が○になります。相場は新しい機種が出るたびに下がるため、動く時期も早いほうが有利です。
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まとめ|怖いのは言葉ではなく買い方
白ロムは契約の入っていない端末本体そのもの、赤ロムは通信会社によって通信を止められた端末を指します。中古で売られている端末はほぼすべて白ロムで、そのうち前の持ち主の支払いが滞る、盗難の届け出が出るといった事情で一部があとから赤ロムに変わります。買った人に非がなくても起きるうえ、購入から数か月後に制限がかかる場合もあります。
対策ははっきりしています。判定の記号が○か△かを確認し、赤ロム保証を付けている販売店で買うこと。この2つでリスクはほぼ回避できます。保証のない個人間の取引で数千円を浮かせても、端末代がまるごと無駄になる可能性と引き換えでは割に合いません。売る側になったときは、分割の残債と初期化、アカウントのロック解除を必ず確認してください。制度そのものは見直しの議論が進んでいますが、確定するまでは今の基本を守るのが確実です。
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赤ロム・白ロムに関するよくある質問(FAQ)
赤ロムと白ロムの違いは何ですか?
白ロムは契約者の情報が入っていない端末本体そのものを指し、自分の回線を入れれば普通に使えます。赤ロムは通信会社によって通信を止められた端末で、その回線での通話とデータ通信ができません。中古で売られている端末はほぼすべて白ロムで、そのうち一部があとから赤ロムに変わります。対等な分類ではなく、白ロムという枠の中に赤ロムになりうるものがあるという関係です。
赤ロムになると端末はまったく使えなくなりますか?
完全に使えなくなるわけではありません。止まるのはその通信会社の回線を使った通話とデータ通信で、無線につなげばアプリもカメラも動きます。音楽再生や目覚まし、動画視聴、子ども用の端末としてなら十分に使えます。別の会社の回線であれば通信できる場合もありますが、対応する周波数帯やSIMロックの状態によって結果は変わります。
判定の○△×はそれぞれ何を意味しますか?
○は現時点でネットワーク利用制限の対象ではない状態、△は今は使えるものの分割払い中や購入後の確認期間などで将来判定が変わる可能性がある状態、×はすでに制限がかかっている赤ロムの状態です。中古市場では△の端末も流通していますが、これは悪いという意味ではありません。いずれの場合も、赤ロム保証のある販売店を選ぶのが確実です。
赤ロムをつかまないためにはどうすればいいですか?
赤ロム保証を付けている販売店で買えば、あとから制限がかかっても交換や返金の対応を受けられます。判定が○の端末を選ぶのも確実な方法です。商品ページに判定の記号が書かれているか、保証の有無と期間はどうか、端末の固有の番号を教えてもらえるかの3点を確認してください。フリマアプリやオークションは保証がなく、出品者と連絡が取れなくなればそこで終わりになります。
分割払いが残ったままスマホを売ってもいいですか?
売ること自体は禁じられていませんが、支払いを続ける責任は手元を離れたあとも残ります。途中でやめると買った人の端末が使えなくなります。可能なら完済してから売却すると判定が○になり、査定額にも有利に働きます。あわせて初期化とデータ消去、アカウントのロック解除、紛失の届け出が残っていないかも確認してください。
赤ロムの端末でも買取してもらえますか?
買取できないとはかぎりません。通信を使わない用途や部品としての需要があるためです。ただし判定が×の端末は査定額が大きく下がります。査定では電源が入るか、画面割れの有無、バッテリーの最大容量、初期化とデータ消去が済んでいるか、箱や付属品が揃っているかを確認しています。分割の残債がある場合は事前にお知らせいただけると話が早く進みます。
監修:リンクサスモバイル 査定士 今井一輝。制度の運用は見直しの議論が進んでいるため、最新の扱いは各通信会社および購入先でご確認ください。

