近年、スマホ1台で2つの電話番号を使い分けられるデュアルSIMが注目を集めています。

仕事とプライベートの回線を分けたり、海外旅行で現地のSIMを使ったりと、使い方次第で通信費の節約や利便性向上につながります。

本記事では、デュアルSIMの基本情報やメリット・デメリット、設定方法、活用法について詳しく解説します。

デュアルSIMの活用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

はじめに｜デュアルSIMの基本情報

デュアルSIMとは？

デュアルSIMは、iPhoneやスマホ一台で2つのSIMカードを利用できる機能となっています。

そもそもSiMカードとは、スマホ・タブレットで通信や通話を使用するために必要な情報が記録されたICカードで、1枚のSIMカードで一つの電話番号の利用が可能です。

基本的にスマホ1台で1枚のSIMカードを挿入して使用します。

しかし、デュアルSIM対応のスマホの場合、1台に2枚のSIMカードを挿入することができるので、2つの電話番号を使い分ける・LINEアカウントの複数持ちなど、スマホ2台持ちのような使い方ができるんですよ。

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— Peace (@0833Peace) October 15, 2024

デュアルSIMに対応したスマホの特徴としては、SIMカードを挿入できる場所が2つあること。

近年、物理的なICチップと同等のSIMカードをスマホ本体に挿入し、ユーザー自身でデータの書き換えが可能な「eSIM」を利用する方が増えています。

2つのSIMカードの組み合わせ方はスマホの種類によって異なり「SIMカード＋eSIM」や「eSIM＋eSIM」のような使い方ができるスマホもあります。

デュアルSIMの主な種類

実は、デュアルSIMには種類があることを知っていましたか？

デュアルSIMには4つの種類があり、それぞれ機能が異なります。

機能	詳細
DSSS（デュアルSIMシングルスタンバイ）	2つのSIMカードのうち、どちらか1つが有効な状態で通信・通話の利用が可能 もう一方のSIMカードを利用したいときは手動で切り替え 同時利用は不可 どちらも4G回線での利用が可能
DSDS（デュアルSIMデュアルスタンバイ）	2つのSIMカードで同時に通話の待ち受けが可能、自動で切り替え 2つ同時に通信・通話の利用不可、4G回線の同時利用不可 一方は3G回線での利用
DSDV（デュアルSIMデュアルVoLTE）	基本的な機能は「DSDS」と同等 2つのSIMカードで同時に4G回線の利用可能* *5G回線対応のSIMカードを2枚挿入している場合：データ通信用に設定したSIMカードのみ5G回線の使用が可能です。
DSDA（デュアルSIMデュアルアクティブ）	基本的な機能は「DSDV」と同等 2つのSIMカードで同時に通信の利用が可能 ※例：通話をしながら片方のSIMカードで通信を利用可能

上記で紹介したように、デュアルSIMといっても同じ機能を使うことができるわけではないため、購入前にチェックしておく必要があります。

実用的なデュアルSIMは「DSDS」や「DSDV」ですが、近年発売されているスマホは「DSDV」対応のスマホが多いので、参考にしてみてください。
【関連リンク】iPhone機種変更、今買うならどれ？最強コスパ性能からおすすめはこれ

デュアルSIMの使い方3選｜海外旅行で使える？

デュアルSIMがどんなものなのか知ったところで、主な使い方を見ていきましょう。

ここからは、デュアルSIMの3つの使い方を紹介します。

また、Apple公式サイトでもiPhoneのデュアルSIMの活用方法を紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

1.プランの組み合わせ方によって電話料金を安くする

デュアルSIMの使い方の1つ目は、通信と通話それぞれの料金プランを分けることです。

通信や通話を利用するためのSIMカードは、各通信キャリアで提供しており、通信キャリアによってプランの内容や料金は異なります。

あまり通信・通話を使わない場合は、格安SIMで契約して、毎月の電話料金を安くするのもおすすめです。

それぞれ異なる通信キャリアで契約すると、どちらか一方が通信障害になって使えなくなったとしても、もう一方の回線を利用できるといったメリットもありますよ。
【関連リンク】格安スマホ後悔するからやめとけ？格安SIMのデメリットとメリット

2.1台のスマホで仕事用とプライベート用に使い分ける

通話の利用が可能なプランで契約すると、1台のスマホで仕事用・プライベート用と使い分けることが可能です。

電話番号を2つ持っていると、LINEなどの電話番号の登録が必要なアプリでアカウントを2つ作成することも。

デュアルSIMであれば、スマホを2台持ち歩く必要もないですし、どちらのスマホで着信があるのか確認に手間取る必要もなくなります。
【関連リンク】ラインアカウント削除せずにiPhone初期化どうなる？復元引き継ぎの注意点

3.海外旅行で海外専用SIMカードを使う

海外に行くと、auなどの国内通信キャリアのSIMカードが利用できないケースがあります。

その場合、海外専用SIMカードなどを使うなどの対応が必要となりますが、デュアルSIMでは元々持っているSIMカードとは別に、現地のSIMカードを挿入することができます。

通信キャリアによって異なりますが、海外で国内のSIMカードを利用して通信を行うと、高額な料金が請求されるケースもあるようです。

海外旅行では、現地のSIMカードを使うことで電話料金を抑えることも可能なため、海外旅行の際は検討してみてください。
※通信キャリアによっては、海外利用するためのオプションサービスの提供があるので、渡航前に契約している通信キャリアの公式サイトをチェックしましょう。

ただし、スマホの機種によっては非対応の海外事業者があるので、事前に海外事業者の公式サイトなどで動作確認をしておきましょう。

デュアルSIMのメリット｜電話番号の使い分けもOK

デュアルSIMを活用すると、通信費の節約や利便性の向上など、さまざまなメリットを得ることができます。具体的にどのような利点があるのか、詳しく見ていきましょう。

通信費を節約できる

デュアルSIMの最大のメリットのひとつが、通信費の削減です。

1台のスマホで異なるキャリアのSIMを組み合わせて使用できるため、用途に応じて最適なプランを選択可能。例えば、次のような活用方法が考えられます。

• データ通信は格安SIM、通話は大手キャリア 大容量データ通信は格安SIM（MVNO）でコストを抑え、通話品質が求められる電話は大手キャリアのSIMを使用することで、コストパフォーマンスを向上できます。
• 国内SIMと海外SIMの併用
  海外旅行や出張が多い場合、国内キャリアのSIMと現地のプリペイドSIMを併用することで、高額なローミング費用を回避できます。

このように、データ通信・通話の両面で、自分に合った料金プランを選択しやすくなるのがデュアルSIMの強みです。

仕事とプライベートの番号を使い分ける

1台のスマホで、仕事用とプライベート用の電話番号を分けることができるのも、デュアルSIMの大きな利点です。

• ビジネスとプライベートを分離
  仕事用の連絡は会社支給のSIM、プライベートの通話は個人のSIMを使うことで、1台のスマホで2つの番号を管理できます。これにより、プライベートの時間に仕事の電話がかかってくるのを防ぐことが可能です。
• 副業やフリーランスの電話対応に便利
  本業とは別に副業や個人ビジネスをしている場合、専用の電話番号を用意することで、プライベートと業務を明確に分けることができます。

例えばSIMごとに着信音を変えたり、仕事用の番号は営業時間外に通知をオフにするなどの設定も可能なので、より快適に使い分けることができます。

海外旅行や出張時に便利

海外渡航時にデュアルSIMを活用することで、コストを抑えながらスムーズに通信環境を確保できます。

• ローミング費用を節約
  海外に行く際、国内キャリアのローミングサービスを利用すると高額な通信料金が発生します。しかし、デュアルSIMなら現地のプリペイドSIMを挿入してデータ通信を利用できるため、通信費を大幅に節約可能です。
• 国内の番号も同時に待受けできる
  仕事や家族との連絡のために、日本のSIMをそのまま保持したまま、海外SIMをデータ通信専用で使用できるため、スムーズなコミュニケーションが可能になります。

このように、海外でも柔軟に対応できるのがデュアルSIMの大きな強みです。

複数のネットワークでより安定した通信

1つのキャリアの電波が不安定でも、もう1つのSIM回線を利用することで安定した通信環境を確保できるのも、デュアルSIMの大きなメリットです。

• 片方のキャリアの電波が弱い場合のバックアップ
  都市部では問題なく使えるキャリアでも、地方や山間部では電波が入りにくい場合があります。そのような時、異なるキャリアのSIMをもう1つ用意しておくことで、途切れることなく通信を維持できます。
• 仕事やオンライン会議の通信トラブルを防ぐ
  テレワークやオンライン会議では、安定したインターネット接続が欠かせません。デュアルSIMを利用することで、1つの回線が不安定になった際に、即座にもう1つの回線に切り替えて通信を維持することが可能です。

このように、デュアルSIMは「コスト削減」や「利便性向上」だけでなく、「通信の安定性」も大きなメリットとして活用できます。

デュアルSIMのデメリット｜バッテリー消費や通信速度に注意

デュアルSIMは多くのメリットを持つ一方で、使用する際に気をつけたいポイントもあります。ここでは、デュアルSIMの主なデメリットについて詳しく解説します。

バッテリー消費が早くなる可能性

デュアルSIMを利用すると、スマホのバッテリー消費が通常よりも速くなる可能性があります。

なぜバッテリー消費が増えるのか？

• 2つのSIMが同時に待機していることで、バックグラウンドで常に電波を探し続けるため、バッテリー消費が増加します。
• 電波の弱い環境では、通信を維持するために余計な電力を消費しやすくなります。
• 2つのSIMを使い分けることで、データ通信や通話の切り替えが頻繁に行われ、バッテリーへの負担が増えます。

バッテリー消費を抑える方法

• 使用しないSIMをオフにする
  片方のSIMを一時的にオフにすることで、バッテリーの消耗を抑えることができます。（例：データ通信を使わないSIMを「無効化」する）
• 低電力モードを活用する
  スマホの省電力モードを有効にすることで、バッテリーの持ちを向上させることが可能です。
• 不要なバックグラウンドアプリを閉じる
  データ通信が常時必要なアプリがバックグラウンドで動いていると、SIMの利用が増え、結果的にバッテリーの消耗が早まります。

【関連リンク】充電の減りが早い原因と対処法｜iPhone・Androidでできる節電のコツ

通信速度の低下

デュアルSIMを使用すると、通信速度が遅くなることがあります。特に、データ通信を同時に行う場合や、片方の回線が4G/5Gでない場合には、速度低下が顕著になることがあります。

通信速度が低下する理由

• データ通信を片方のSIMに制限しているスマホが多く、切り替えがスムーズでない。
• 一部のスマホでは、デュアルSIM利用時に片方のSIMが3G通信に制限されることがある。
• 2つの回線を常に接続しているため、ネットワークの負荷が増加し、安定した通信速度を維持できないことがある。

通信速度低下を防ぐ方法

• どちらのSIMでデータ通信を行うか設定を最適化する
  → メインのデータ通信回線を5G対応SIMに設定することで、通信速度を維持できます。
• Wi-Fi環境を活用する
  → 室内やカフェなどのWi-Fi環境では、Wi-Fiを積極的に利用してSIMのデータ通信を抑える。
• 通信速度制限のないキャリアを選ぶ
  → 一部のキャリアでは、デュアルSIM使用時に通信制限がかかる場合があるため、契約前に確認することが重要。

設定や管理がやや複雑

デュアルSIMは便利な機能ですが、初期設定や運用管理がやや手間になることがあります。

設定が難しいポイント

• SIMごとの優先設定が必要
  → どちらのSIMを「通話用」「データ通信用」として使用するのかを、スマホの設定画面で細かく設定する必要があります。
• APN（アクセスポイント）設定が必要な場合がある
  → 格安SIMを利用する際、手動でAPNの設定を行う必要があることがあり、初心者にはややハードルが高い。
• 通話時の回線切り替え
  → 通話するたびにどちらのSIMを使うのか選択しなければならない場合があり、使い勝手が悪くなることがある。

設定や管理を簡単にする方法

• スマホの「デフォルト回線設定」を活用する
  → 通話はSIM1、データ通信はSIM2といった設定をあらかじめしておくと、手動での切り替えが不要になりスムーズに使えます。
• eSIMを活用する
  → eSIMを使えば物理的なSIMカードの入れ替えが不要になり、よりシンプルに管理できます。
• キャリアのデュアルSIM対応状況を確認
  → 一部のキャリアでは、デュアルSIMに対応していないプランや制限があるため、事前に確認しておくとトラブルを避けられます。

デュアルSIMの設定方法｜iPhone・Androidの設定まとめ

デュアルSIMを活用するためには、対応機種の確認、SIMの挿入、設定画面での管理が必要です。ここでは、スマホでのデュアルSIMの設定方法をわかりやすく解説します。

デュアルSIM対応のスマホを確認

デュアルSIMを利用するには、まず自分のスマホがデュアルSIM対応機種かどうかを確認しましょう。

iPhoneのデュアルSIM対応状況

AppleのiPhoneはiPhone XS以降のモデルでデュアルSIMに対応しています。
ただし、iPhoneのデュアルSIMにはeSIMを利用するタイプと物理SIMを2枚挿入するタイプの違いがあります。

• 物理SIM + eSIM（日本版iPhoneで主流）
  → iPhone 13、iPhone 14、iPhone 15シリーズなどが対応
• eSIM + eSIM（物理SIMスロットなし）
  → iPhone 14以降の一部モデル（海外版）では、物理SIMなしでeSIMを2つ使うことも可能。

AndroidスマホのデュアルSIM対応状況

Android端末のデュアルSIM対応はメーカーやモデルによって異なります。
以下のような機種がデュアルSIM対応スマホとして知られています。

• Google Pixelシリーズ（Pixel 4以降のモデルでeSIM + 物理SIMに対応）
• Samsung Galaxyシリーズ（一部モデルでデュアルSIM対応）
• Xiaomi、OPPO、Sony XperiaなどのSIMフリーモデル（DSDS対応が多い）

購入前に「デュアルSIM対応」または「DSDS対応」の記載があるかどうかを確認しましょう。

SIMカードの挿入方法

スマホがデュアルSIMに対応していることを確認したら、SIMカードを適切に挿入する必要があります。

物理SIM + 物理SIM（デュアルSIMスロット搭載機）

• スマホのSIMトレイを取り出し、2枚のSIMカードを正しい向きでスロットに挿入します。
• 挿入後、スマホの電源を入れ、SIMが認識されることを確認しましょう。

物理SIM + eSIM（iPhoneやPixelなど）

• 物理SIMを1枚挿入した後、eSIMを設定する必要があります。
• キャリアから提供されたQRコードを読み取るか、手動でeSIM情報を入力します。
• eSIMが正しく認識されると、スマホ上で2つの回線が表示されます。

eSIM + eSIM（物理SIMなしの機種）

• iPhone 14以降のeSIM専用モデルなどでは、2つのeSIMプロファイルを登録することでデュアルSIMを利用できます。
• 設定画面の「モバイル通信」から、2つのeSIMを有効にし、どちらをメインとして使うか選択します。

設定画面での回線管理

デュアルSIMを正しく利用するには、メイン回線の選択やデータ通信の管理が重要です。以下の手順で設定しましょう。

iPhoneの場合

Androidの場合

デュアルSIM使用時の注意点｜3G回線の終了に気をつけよう

デュアルSIMは便利なものであることを紹介しましたが、使うときには注意しておきたいポイントが4つあります。

auでは、3G回線の提供が終了し、ドコモやソフトバンクも2024年～2026年の間にはサービス提供を終了する予定です。

先ほど紹介した通り、デュアルSIMの機能の1つである「DSDS」は、1回線は3G回線となるため、サービス提供終了に伴って利用ができなくなることを考慮しておきましょう。

また、デュアルSIMでは「主回線」「副回線」のように、メインで使用したい回線を自分の使い方に合わせて選ぶことができます。

iOS18からデュアルSIMの切り替え楽になった pic.twitter.com/GOh0onLu0G

— すかいんこ (@sky07031) October 15, 2024

デュアルSIMのおすすめ組み合わせ｜格安・最強はどれ？

最も安くスマホを使うための、おすすめのデュアルSIMの組み合わせは以下になります。

UQ mobileなどの格安SIMでは、音声通話機能付きのプランよりも、データ通信専用プランのほうがお得に利用できます。

データ通信専用プランにも、データ無制限のプランや、低容量＋低価格のプランなど種類はさまざまです。

今回、デュアルSIMの組み合わせで最強なのは「楽天モバイル」＋「mineo」になります！

楽天モバイルは「Rakuten Link」という専用アプリで通話の利用が可能なのですが、国内通話であればどこへ通話しても無料といった魅力があります。

mineoでは、データ無制限プランを利用することができますが、こちらは決まった時間に低速になるといった条件付きのプランになっています。

このようにして、自分がどのようにデュアルSIMを使うかで、組み合わせが変わってくるので、通信キャリアの公式サイトなどをチェックして自分に合う組み合わせを見つけてみてくださいね！

デュアルSIMに関するよくある質問｜FAQ

Q1. デュアルSIMの設定は簡単にできるのか？

A: はい。設定画面からSIMを選択し、通話・データ通信の回線を指定するだけで利用できます。eSIMの場合はQRコードを読み取るだけで簡単に設定可能です。

Q2. デュアルSIMを使うとバッテリー消費はどうなるのか？

A: 2回線が同時待機するため、バッテリー消費は増えます。不要なSIMをオフにする、省電力モードを活用するなどの対策が効果的です。

Q3. デュアルSIMを使うとLINEはどうなるのか？

A: LINEはメイン回線の電話番号と紐付きます。2つのアカウントを使いたい場合は、別のLINEアプリやデュアルアプリ機能のあるスマホを利用しましょう。

Q4. デュアルSIM対応のスマホはどの機種か？

A: iPhone XS以降（eSIM対応）やGoogle Pixel、Samsung Galaxy、Xiaomi、OPPOなどの一部Android機種が対応。購入前にデュアルSIM対応を確認してください。

まとめ

デュアルSIMを活用すると、通信費を抑えながら、用途に応じて柔軟に回線を使い分けることが可能です。

例えば仕事とプライベートの番号を分けたり、海外での通信費を節約したりと、使い方次第で多くのメリットを享受できます。

ただし、バッテリー消費の増加や設定の複雑さといったデメリットもあるため、事前に機能や設定をしっかり理解しておくことが重要です。

この記事を参考にしながら、自分に最適なデュアルSIMの活用方法を見つけ、快適なスマホライフを実現しましょう。