Bluetoothイヤホンが繋がらない?ペアリングできない時の原因と対処法

スマホやPCとケーブルなしで接続できるBluetooth(ブルートゥース)イヤホンは、AirPodsをはじめとする多くの人気モデルが登場し、通勤・通学やリモートワークなどで広く活用されています。
しかし、ワイヤレスであるがゆえに「突然繋がらなくなった」「接続済みなのに音が出ない」といったトラブルも意外と多く、戸惑う人が続出中です。
「AirPodsが急に繋がらなくなったけど、これって故障?」
「Bluetoothイヤホンの接続方法、もう一度おさらいしたい…」
そんな不安や疑問をお持ちの方のために、Bluetoothイヤホンが繋がらない原因と今すぐできる対処法をわかりやすく解説します。
iPhone・Androidどちらの操作も紹介しているので、初心者の方でも安心して読み進めていただけます。
【基本設定】Bluetoothイヤホンをスマホにペアリングする方法
まずはBluetoothイヤホンをスマホに接続する方法からおさらいしていきましょう。
Bluetoothイヤホンをスマホなどのデバイスで使う場合は、あらかじめイヤホンとデバイスをペアリング(相互認証)させておく必要があります。
iPhoneの場合
- 「設定」アプリを開いて「Bluetooth」を選択
- Bluetooth機能をオンにする
- イヤホンを検出可能モードにして、デバイス上に表示されるまで待つ
- イヤホンの名前が表示されたら名前をタップする
- 「接続済み」と表示されたら完了
iPhoneの場合は、「設定」アプリからBluetooth機能ONにすることでイヤホンの登録を行うことができます。
ちなみにiPhoneと同じApple社製のイヤホンには「AirPods」や「AirPods Pro」があります。AirPodsシリーズの場合は、Bluetoothをオンにした状態にしておき、AirPodsの蓋を開いてiPhoneに近づけることでペアリングの操作を行うことができます。
Androidの場合
- 「設定」を開いて「接続済みのデバイス」を選択
- 「接続の設定」をタップし、Bluetoothをオンにする
- 「新しいデバイスとペア設定する」を選ぶ
- イヤホンを検出可能モードにして、デバイス上に表示されるまで待つ
- イヤホンの名前が表示されたら名前をタップする
- 「接続済みのデバイス」にイヤホンの名前が表示されたら完了
Androidの場合も、設定ページからBluetoothイヤホンの登録ができます。まずはBluetoothの機能をオンにしておきましょう。
なおイヤホンの種類やメーカーによって、イヤホン側でのペアリングモードを操作する方法は異なります。電源ボタンの長押しや設定ボタンの長押しなど、イヤホンの種類によって操作が決まっているので、詳しくは使いたいイヤホンの取扱説明書を参照しましょう。
【原因確認】Bluetoothイヤホンが繋がらないときにまず確かめること
- イヤホンの電源が入っていない・充電が切れている
- スマホや機器からの距離が離れすぎている
- 既に他の機器に繋がってしまっている
- ペアリングが正しく行われていない
- イヤホンやスマホにエラー・不具合が発生している
- Bluetoothのバージョンが対応していない
- Bluetoothイヤホンが故障してしまっている
Bluetoothイヤホンがスマホとうまく繋がらない、音が聞こえないといった時には上記のような原因が考えられます。
まずはイヤホンそのものがきちんと作動していないという場合です。イヤホンが十分に充電されていなかったり、スマホから極端に離れてしまっていたりする場合は、当然ですがスマホとペアリングはできず音も聞こえません。
また正しくペアリングが行われていない場合やすでに別の機器に繋がってしまっている場合などは、イヤホンの電源が付いていてもスマホと正しく接続されず使えない場合があります。
さらにちょっとしたエラーやバグで繋がらないというケースもあります。ただしこの場合は完全な故障ではなく、再起動やリセットをすることで症状が改善される場合もあります。
原因を複数調べたり、リセットしたりしても使えるようにならないという場合には、そもそもバージョンが対応していないということも考えられます。さらにイヤホンやスマホ自体が故障しているというケースもあり得ます。
それぞれの確認方法・対処方法について、チェックしてみましょう。
【電源・充電】イヤホンの電源が入っているか・充電があるかを確認
Bluetooth接続を行うワイヤレスイヤホンは、有線イヤホンと違い充電が必要になります。まずはイヤホンの電源が入っているか、バッテリーの充電があるかを確認してみましょう。
Bluetoothイヤホンの多くは、ケースに入れておくことでイヤホン本体への充電ができます。
ただしケース自体にも充電の容量があり、ケースそのもののバッテリーが切れている場合は、ケース内に入れていてもイヤホンが充電されないので気をつける必要があります。
自宅にいる時間やイヤホンを使わない時間帯は、こまめにケースごとバッテリー充電するように心がけましょう。
【位置・距離】スマホとの間に距離や障害物がないか確認
Bluetoothの接続範囲は一定範囲に定められています。一般的なBluetoothイヤホンの場合、デバイスからおよそ10mの範囲が接続範囲とされています。
そのためスマホから極端に離れてしまうと、接続できないことがあるので注意しましょう。
また距離がさほど離れていなくても、間に障害物があると接続が途切れる・不安定になることがあります。
間に壁や扉などの障害物がないかどうか、電子機器など電波を干渉するものがないかどうか、改めてチェックするようにしましょう。
【他の機器】既に違う機器に繋がっていないかチェックする
通常、一つのBluetoothイヤホンに接続できる機器は1台となります。
そのためBluetoothイヤホンが既に他の機器に繋がっていると、実際につなげたいスマホに繋がらないということがあります。イヤホンの電源がオンになっているのにうまく繋がらない場合は、他の機器との接続についてチェックしてみましょう。
既に他の機器に繋がっている場合は、必要に応じて接続を解除したり、設定ページから手動で接続できる端末を切り替えたりするようにしましょう。
ちなみにBluetoothイヤホンを複数の機器で使いたいという場合には「マルチポイント」や「マルチペアリング」といった機能もあります。
項目 | マルチポイント | マルチペアリング |
---|---|---|
機能 | 同時に複数デバイスと接続可能 | 複数デバイスのペアリング情報を保存可能 |
同時接続 | 可能 | 不可能 |
切り替え | 自動(条件による) | 手動 |
使用例 | スマホとPCを同時接続し、切り替えながら利用 | 端末A・Bで交互に利用する場合に便利 |
おすすめ用途 | 仕事や通話、ゲームや動画など複数デバイスを行き来する場合 | 1つのデバイスを複数の機器で使い分ける場合 |
マルチポイント
「マルチポイント」を搭載したイヤホンの場合は、同時に複数の端末と接続することが可能になります。
例えばスマホとPCに同時に接続し、スマホでの通話中にPCの通知音が聞こえるという機能があります。
さらにPCで音楽を聴いているときにスマホに着信があった場合、自動的にスマホの通話に切り替えるということもできます。ペアリングをし直す必要がなく、シームレスな切り替えが可能です。
PC作業中にスマホ上での仕事の通知を聞き逃したくない方なども、この機能があれば安心できるでしょう。
マルチペアリング
マルチペアリングは一つのBluetoothイヤホンに、複数台の機器の情報を保存できるという機能になります。
この機能ではマルチポイントのように複数台同時に接続はできないものの、一度ペアリングしたことのあるデバイスであれば簡単に接続ができるようになります。
【解除・再設定】接続を一度解除し再度ペアリングを試してみる
ペアリングしたつもりなのにうまくイヤホンが接続されない、マルチポイントやマルチペアリングの機能がうまく使えないといった場合は、接続を一度解除してから再ペアリングを試みるのも一つの方法です。
iPhoneでの解除方法
- 「設定」から「Bluetooth」を選ぶ
- 登録されているイヤホンの「i」アイコンをタップ
- 「このデバイスの登録を解除」を選択
Androidでの解除方法
- 「設定」から「接続済みのデバイス」を選ぶ
- 接続機器の名前をタップする
- 「切断しますか?」のポップアップに対し「OK」を選ぶ
上記の手順で解除ができたら、再度初めに戻ってペアリング設定から行ってみましょう。
メーカー別!Bluetoothイヤホンのリセット・再接続方法
Bluetoothイヤホンが繋がらないとき、「イヤホンのリセット(初期化)」または「ペアリングの再設定」でも改善します。
下記に人気ブランドのリセット方法をまとめました。
メーカー |
リセット・再接続方法の手順 |
備考 |
---|---|---|
SONY |
電源を切った状態で、電源ボタンを約7秒長押し → 青赤点滅でペアリングモードに |
モデルにより操作が異なる場合あり |
Jabra |
ケースに入れたまま、左右ボタンを10秒長押し → 紫点滅でリセット |
Jabraアプリ経由での初期化も可能 |
Anker / Soundcore |
イヤホンをケースに戻す → ボタンまたはタッチ部を10秒長押し → 点滅確認 |
ケース操作が基本。アプリ利用も可 |
Apple(AirPods) |
ケース背面ボタンを約15秒長押し → 白点滅でリセットモードに |
AirPods Proも同様の手順で対応可能 |
BOSE |
イヤホンをケースに入れ、Bluetoothボタンを10秒長押し → 青点滅で再設定 |
専用アプリ「Bose Music」での再接続も有効 |
JBL |
イヤホンのボタンを8~10秒長押し → ランプ点滅でペアリングモード |
モデルによっては片耳操作が必要な場合あり |
【再起動】Bluetoothイヤホンやスマホ端末を再起動する
iPadにイヤホン接続できなくてあわあわ 落ち着いて再起動するに限る
— ぴーす (@peace_link) February 8, 2025
Bluetoothイヤホンをリセットする
Bluetoothイヤホンにはリセット機能があります。リセットすることでペアリング情報が消去され、もう一度ペアリングモードからやり直すことができます。
例えば片耳だけがうまく繋がらない場合なども、リセットをして再度ペアリングすればうまく認識されるようになり、不具合が解消されることがあります。
詳しい手順についてはイヤホンの説明書を確認してみてください。ちなみにAirPodsの場合、ケース裏のボタンを長押しすることでリセットができます。
AirPodsの詳しいリセット方法に関しては、以下の記事にてまとめています。
【関連リンク】AirPodsのリセット(初期化)方法を解説!手順や再接続のやり方も紹介
スマホの再起動を試してみる
イヤホンの接続の不具合は、スマホ端末の再起動で直るケースもあります。イヤホンの接続だけでなく、スマホの些細なエラーやバグには再起動がかなり有効なのでぜひ試してみましょう。
【アップデート】スマホのOSを最新バージョンにアップデートする
- iOSの場合・・・「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」
- Androidの場合・・・「設定」→「システム」→「ソフトウェアアップデート」
スマホ側のOSが古いバージョンになっていると、Bluetoothイヤホンとの接続に不具合が生じることがあります。
OSをアップデートしていないという方は、最新バージョンへのアップデートを試みてみましょう。
なおOSのアップデートには時間や通信量がかかります。できればWi-Fi環境の下、時間に余裕を持ってアップデートを行うことをおすすめします。
【関連リンク】iPhoneのアップデートが終わらない!容量があるのにできない時の解決方法
【バージョン確認】Bluetoothのバージョンが対応しているか確認する
Bluetoothイヤホンとスマホの接続バージョンが異なっていて互換性がない場合は、残念ながら接続ができません。
新しいイヤホンやスマホを使っていれば基本的には問題ありませんが、極端に古いスマホ端末を使っている方などは注意が必要です。
Bluetoothの歴史は長く、最初のバージョン1.0は1999年に誕生しました。そこから何回もバージョンアップが繰り返され、今では通信方式やデータ通信速度などが拡張・向上されています。
Bluetooth4.0以降のものであれば違うバージョン同士でも接続が可能です。一方でバージョンが4.0よりも古い場合、互換性がなく接続ができないという場合があります。
2015年以降に販売されたスマホの場合は、Bluetooth4.0に対応していることがほとんどです。気になる方はバージョンについても確認しておきましょう。
【接続チェック】Bluetoothイヤホンが他の機器に繋がるか確かめる
「イヤホンそのものが壊れている」という場合は、どんなにスマホ側の設定を調整してもイヤホンは繋がるようにはなりません。Bluetoothイヤホンとスマホがなかなか繋がらないという場合は、別の機器なら繋がるのかどうかをぜひ試してみましょう。
別の機器にならちゃんと繋がるという場合は、再ペアリングを行ったり、リセットや再起動、OSのアップデートを行ったりすることで繋がるようになる可能性があります。
一方でタブレットや他のスマホなど別の機器にも繋がらないBluetoothイヤホンの場合は、残念ながら故障していることが考えられます。
複数の方法を試しても繋がらないままの方は、修理や買い替えも検討してみてください。
【予防策】接続トラブルを防ぐためのコツと予防方法
Bluetoothイヤホンの接続トラブルは、ちょっとした設定や使い方を見直すだけで予防できることが多くあります。ここでは、日常的にできる3つの予防策を紹介します。
不要なBluetooth機器は削除する
スマートフォンやPCには、過去に接続したBluetooth機器の情報が蓄積されていきます。登録数が増えると、自動接続の優先順位が乱れたり、混線の原因になることがあります。
予防策:
- 設定画面から、現在使っていないBluetooth機器は削除(登録解除)しましょう。
- 特に「以前のイヤホン」「他人のスピーカー」など、不要な接続履歴が残っていないか定期的にチェックするのがおすすめです。
マルチポイント接続はオフにしておく
最近のBluetoothイヤホンには、2台以上のデバイスと同時接続できる「マルチポイント機能」を備えたモデルもあります。便利な反面、音が出ない・勝手に切り替わるといったトラブルの原因になることも。
予防策:
- 必要のない場合は、マルチポイント機能をオフにする、または接続先の台数を1台に絞ると安定します。
- 特に「スマホとPCを同時に使う」シーンでは、意図しない音声の切り替えが起きやすいため注意しましょう。
アップデート通知は定期的に確認
Bluetoothの接続安定性は、イヤホン本体・スマホ・アプリ・OSのすべてに依存します。アップデートを怠ると、互換性の問題や不具合が発生しやすくなります。
予防策:
- スマートフォンのOSやBluetooth関連アプリを最新バージョンに保つよう心がけましょう。
- また、AnkerやBOSEなど一部のイヤホンは、専用アプリからファームウェア更新が可能です。通知が来たら、忘れずアップデートすることがトラブル予防につながります。
【FAQ】Bluetoothイヤホンに関してよくある質問
Bluetoothイヤホンに関するトラブルで、特に多く寄せられる質問とその答えをまとめました。急いでいる方や、繰り返し不具合が起きている方は、このセクションをチェックしてみてください。
Q.Bluetoothでペアリングできないのはなぜ?
Bluetoothでペアリングできない原因は、大きく以下のようなものが考えられます。
-
イヤホンがペアリングモードになっていない
→ LEDランプの点滅を確認。点滅していない場合、リセットや再起動が必要です。 -
端末のBluetoothがオフになっている/フリーズしている
→ Bluetooth設定を一度オフ→再度オンに切り替えてみましょう。 -
すでに別のデバイスと接続中
→ 以前に接続した端末との自動接続が優先されていることがあります。不要な接続履歴を削除してください。
上記を試しても接続できない場合は、一度ペアリング情報を削除→イヤホン側をリセットしてから再接続を試みてください。
Q.イヤホンが検出されないときの対処法は?
スマホやPCがBluetoothイヤホンを「検出」できないときは、以下の順で確認してみてください。
- イヤホンが正しく電源オンになっているか
- ペアリングモードになっているか(LED点滅状態)
- 端末側のBluetoothがオンになっているか
- 他のデバイスとすでに接続されていないか
それでも表示されない場合は、端末を一度再起動し、Bluetooth機能をリフレッシュしてみましょう。また、距離や障害物が影響している場合もあるので、近距離で再トライしてください。
Q.毎回接続が切れるのはなぜ?
Bluetooth接続が毎回途中で切れる原因として、以下のようなケースがあります。
- 電波干渉(Wi-Fi、電子レンジ、交通機関など)
- イヤホンのバッテリー残量が少ない
- マルチポイント接続による不安定化
- スマホやPCのBluetoothモジュールの不具合
対策としては、
- 使用しないBluetooth機器を削除する
- マルチポイント機能をオフにする
- 端末やイヤホンのファームウェア・OSをアップデートする
これらの予防策を実施することで、接続の安定性が大きく改善される場合があります。
Q.どのタイミングで再起動・リセットすべき?
以下のような状況では、再起動やリセットの実行が効果的です。
再起動すべきタイミング:
- 接続しているのに音が出ない
- イヤホンが突然認識されなくなった
- Bluetooth設定画面がフリーズする
リセットすべきタイミング:
- 何度試してもペアリングできない
- 音の出力先がおかしい(スマホ側から出るなど)
- 他の端末に繋がってしまうなど、挙動が不安定
再起動は端末やイヤホンの一時的な不具合をリセットするために、リセットは初期状態に戻す最終手段として考えましょう。
まとめ
Bluetoothイヤホンが繋がらない原因は、バッテリー不足やペアリングミス、他デバイスとの競合、端末側の不具合など、さまざまな要因が絡み合っているケースがほとんどです。
まずは落ち着いて、電源・Bluetoothの設定・距離・他機器との接続状況をひとつずつ確認してみましょう。
それでも改善しない場合は、ペアリングの解除→再設定、イヤホンのリセット、スマホの再起動やOSのアップデートを行うことで、解決する可能性があります。
それでも解決しない場合は、イヤホンやスマホ自体の故障の可能性も視野に入れて、サポートセンターへの相談や買い替えも検討しましょう。
日頃から予防策を意識しておくことで、接続トラブルの発生もグッと減らせます。ぜひ今回の内容を参考に、快適なワイヤレス環境を整えてみてください。