iPhoneの機種変更でやることは、「移行前の準備」「移行当日」「移行後の確認」の3段階に分かれます。このうち失敗が集中するのは移行前です。バックアップ、アプリの引き継ぎ設定、電子マネーの移動、この3つを済ませてから新しい端末に触るのが鉄則になります。順番を守れば、データを失う場面はまず訪れません。
この記事では、機種変更でやることを時系列のチェックリストにまとめました。前日までに終わらせる準備、当日の移行方法の選び方、移行後に確認する項目、そして使わなくなった旧端末の扱いまでを整理します。
機種変更でやることの全体像
やることを時系列で並べると、全体の見通しが立ちます。作業量の8割は「移行前」に集中しており、当日にやることは実は多くありません。逆にいえば、前の準備を飛ばすと当日に詰まります。
| 段階 | やること | 飛ばすとどうなるか |
|---|---|---|
| 移行前(前日まで) | バックアップ、アプリの引き継ぎ設定、電子マネーの移動、契約の確認 | データやトーク履歴、残高を失う恐れがある |
| 当日 | 移行方法を選んで実行する、初期設定を進める | 時間がかかる、途中で止まる |
| 移行後 | データの確認、アプリの再ログイン、旧端末の初期化 | 移っていない項目に後から気づく |
ここで一つ釘を刺しておきます。「新しい端末が届いた日にまとめてやろう」が、いちばん失敗しやすい進め方です。アプリの引き継ぎ設定は旧端末でしかできないものが多く、移行後に気づいても手遅れになる項目があります。届く前に準備を終わらせておきましょう。
バックアップを取る
すべての土台がここです。バックアップさえ残っていれば、移行で何が起きてもやり直せます。方法は2つあり、どちらか一方で構いません。
| 方法 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| クラウドに取る | 設定から実行でき、パソコンが要らない。保存容量が足りないと止まる | 手軽に済ませたい人 |
| パソコンに取る | 容量の制限を受けにくく、動作も速い。ケーブルとパソコンが必要 | データ量が多い人、容量が足りない人 |
クラウド側の保存容量が足りず、バックアップが途中で止まるのはよくある詰まり方です。不足しているなら、一時的に容量を追加するか、パソコンでの保存に切り替えるのが早道になります。写真だけで容量を使い切っている場合は、先に整理しておくと後の作業も軽くなります。手順はiPhoneバックアップはパソコンとiCloudどっち、容量が足りないときの対処はiCloudストレージを購入すべきかにまとめています。
バックアップを取ったら、完了した日時を必ず目視で確認してください。「取ったつもり」で最新のデータが入っていない事故は、実際によく起こります。
アプリとアカウントの引き継ぎ準備
ここが最大の落とし穴です。アプリのデータは、端末を移しただけでは引き継がれないものがあります。特に次の4種類は、旧端末が手元にあるうちに設定を済ませてください。
- メッセージアプリ:トーク履歴のバックアップと、引き継ぎを許可する設定を旧端末でオンにしておく
- 二段階認証アプリ:移行用の手続きを踏まないと、他のサービスにログインできなくなる恐れがある
- ゲームアプリ:アカウント連携か引き継ぎコードの発行。連携していないと進行状況が消える
- 金融・証券系アプリ:端末を変える際の手続きが個別に定められていることがある
二段階認証アプリの移行漏れは、被害が広い割に気づかれにくい項目です。これを失うと、認証を必要とする他のサービスまで芋づる式にログインできなくなります。移行前に、どのサービスで使っているかを書き出しておくと安全です。
あわせて、メッセージアプリの初期化時の挙動についてはラインアカウントを削除せずにiPhoneを初期化するとどうなるかで詳しく整理しています。
電子マネーと決済の移動
交通系や電子マネーの残高は、端末を替えただけでは新しい端末に移りません。多くのサービスでは、旧端末側でいったん預ける操作をしてから、新端末で受け取る流れになります。この操作を忘れたまま旧端末を初期化すると、残高の扱いが難しくなります。
- 旧端末で預ける操作をする:サービス側のサーバーに残高を退避させる
- 新端末で受け取る:同じアカウントでログインし、残高を戻す
- 手順はサービスごとに違う:交通系、決済アプリ、ポイントカードでそれぞれ案内が異なる
- 初期化は最後にする:受け取りが完了してから旧端末を消去する
おサイフケータイ機能を使っている場合の手順はおサイフケータイの初期化方法にまとめました。具体的な操作は各サービスの公式案内で確認してください。サービスによって呼び方も手順も違うため、まとめて説明できる性質のものではありません。
契約まわりで確認しておくこと
データばかりに気を取られがちですが、契約側にも確認事項があります。特に旧端末を売る予定があるなら、分割払いの残りとSIMロックの状態は先に見ておくべき項目です。
| 確認項目 | 見るポイント | 影響 |
|---|---|---|
| 分割払いの残り | 旧端末の支払いが終わっているか | 残っていると売却時の評価に関わる |
| 通信の制限 | 他社の回線でも使える状態か | 解除されていないと買取の評価が下がる |
| キャリアのメール | 会社を変える場合、メールアドレスを引き継ぐか | 持ち運びの手続きをしないと使えなくなる |
| 保証サービス | 旧端末の保証をいつ解約するか | 解約が早すぎると移行中の故障に対応できない |
※キャリアのメールを引き継ぐ持ち運びサービスは有料です。料金と条件は各社で異なり変更されることもあるため、2026年7月時点の最新額を各社の公式サイトでご確認ください。
通信の制限の状態は、端末の製造番号を各社の照会ページに入力すれば自分で調べられます。判定の見方はネットワーク利用制限とはで解説しました。売却を考えているなら、機種変更の手続きと同じタイミングで確認しておくと二度手間になりません。
データ移行の方法を選ぶ
準備が済んでいれば、当日の作業は移行方法を1つ選んで実行するだけです。iPhone同士なら、2台を並べて直接移す方法がいちばん手数が少なくて済みます。ただし所要時間はデータ量に左右されるため、時間に余裕のあるときに始めてください。
| 方法 | 必要なもの | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 2台を並べて直接移す | 旧端末と新端末の両方、安定した通信 | 旧端末が手元にあり、正常に動く場合 |
| クラウドのバックアップから復元 | 事前のバックアップ、通信環境 | 旧端末が手元にない、または壊れている場合 |
| パソコンのバックアップから復元 | パソコン、ケーブル、事前のバックアップ | データ量が多い、通信環境が不安定な場合 |
それぞれの詳しい手順と、選ぶときの判断材料は個別の記事にまとめています。2台を並べる方法の注意点はiPhone機種変更でクイックスタートを活用する際の注意点、うまくいかないときの原因はクイックスタートでデータ移行できない原因、方法ごとの比較はiPhoneからiPhoneへのデータ移行のやり方で扱っています。Androidから移る場合はAndroidからiPhoneへのデータ移行が該当します。
機種変更後にやること
移行が終わっても、そこで完了ではありません。移っていない項目に気づけるのは、旧端末がまだ手元にあるうちだけです。初期化する前に、次の5点を確認してください。
- 写真と動画の枚数を見る:新旧で数が合っているか。読み込み中なら完了を待つ
- 連絡先の件数を見る:件数が大きく減っていないか
- メッセージアプリの履歴を開く:トークがさかのぼれるか
- 主要なアプリにログインする:認証を求められるものを一通り通しておく
- 電子マネーの残高を確認する:受け取りが完了しているか
写真は移行直後に「まだ読み込み中」の状態になることがあります。枚数が合わないと感じても、通信につないだまましばらく待つと揃うことがあります。それでも足りない場合に、旧端末から個別に移す判断をしてください。
すべて確認できたら、旧端末を初期化します。初期化が正しく完了したかどうかは、画面に初期設定の表示が出るかで判断できます。確認の仕方はiPhoneを初期化して「こんにちは」の画面を表示させる方法で解説しています。
使わなくなったiPhoneをどうするか
移行が終わった旧端末は、引き出しに入れたままにされがちです。ただ、スマホは新しい機種が出るたびに相場が下がります。1年寝かせるほど、受け取れる金額は目減りしていきます。選択肢は3つです。
| 選択肢 | 向いている場合 | 注意点 |
|---|---|---|
| 買取に出す | 使う予定がない | 初期化とサインアウトを済ませてから出す |
| サブ端末として残す | 音楽や動画の再生用に使いたい | 初期化せず使うなら、置き場所と充電の管理が要る |
| 下取りに出す | 手続きを一度で終わらせたい | 還元がポイントになる場合がある |
機種変更の直後にお持ちいただくと、査定額がいちばん高くなります。時間が経つほど相場は下がるため、迷っている間に数千円単位で変わることも珍しくありません。お預かりの際に多いのが、探す機能がオンのままというケースです。この状態ではアクティベーションロックが解除できず、減額かお引き取りをお断りすることになります。設定から探す機能をオフにし、アカウントからサインアウトしたうえで初期化まで済ませてお持ちください。データ移行がまだお済みでない場合は、先に移行を完了させてからで結構です。
画面割れや動作の不調がある端末でも、値がつく場合があります。iPhoneの買取査定から相談できるほか、次の端末を中古で探すなら中古iPhoneの在庫一覧から状態と価格を見比べられます。売る前の注意点はスマホ売却の危険性と安全な手放し方にまとめました。
まとめ|準備が9割、当日は作業だけ
iPhoneの機種変更でやることは、移行前、当日、移行後の3段階に分かれます。作業の大半は移行前で、バックアップ、アプリとアカウントの引き継ぎ設定、電子マネーの移動、契約まわりの確認をここで終わらせます。特にアプリの引き継ぎ設定と二段階認証アプリの移行は、旧端末が手元にあるうちにしかできません。新しい端末が届いてからまとめてやろうとすると、この部分で詰まります。
当日は移行方法を1つ選んで実行するだけです。旧端末が正常に動くなら2台を並べる方法、手元にないならバックアップからの復元を選びます。移行後は、写真の枚数、連絡先の件数、トーク履歴、アプリのログイン、電子マネーの残高を確認してから旧端末を初期化してください。そして使わなくなった端末は、相場が下がる前に査定へ。機種変更の直後が、いちばん高く手放せるタイミングです。
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機種変更のやることに関するよくある質問(FAQ)
iPhoneの機種変更前にやることは何ですか?
バックアップを取ること、アプリとアカウントの引き継ぎ設定を済ませること、電子マネーの残高を移すこと、契約まわりを確認することの4つです。特にアプリの引き継ぎ設定は旧端末でしかできないものが多いため、新しい端末が届く前に終わらせてください。バックアップは完了した日時を目視で確認しておくと安心です。
機種変更後にやることはありますか?
写真と動画の枚数、連絡先の件数、メッセージアプリの履歴、主要なアプリのログイン、電子マネーの残高の5点を確認してください。移っていない項目に気づけるのは旧端末が手元にあるうちだけです。すべて確認できてから旧端末を初期化してください。写真は移行直後に読み込み中のことがあるため、通信につないでしばらく待つと揃う場合があります。
データ移行の方法はどれを選べばいいですか?
旧端末が手元にあり正常に動くなら、2台を並べて直接移す方法が最も手数が少なく済みます。旧端末が手元にない、または壊れている場合はクラウドのバックアップから復元します。データ量が多い、通信環境が不安定な場合はパソコンのバックアップからの復元が向いています。所要時間はデータ量に左右されるため、時間に余裕のあるときに始めてください。
アプリのデータは自動で引き継がれますか?
すべてが自動で引き継がれるわけではありません。メッセージアプリのトーク履歴、二段階認証アプリ、ゲームアプリの進行状況、金融系アプリは個別の引き継ぎ手続きが必要な場合があります。いずれも旧端末が手元にあるうちに設定を済ませてください。特に二段階認証アプリを失うと、他のサービスにもログインできなくなる恐れがあります。
電子マネーの残高は新しいiPhoneに移りますか?
端末を替えただけでは移りません。多くのサービスでは旧端末でいったん残高を預ける操作をしてから、新端末で受け取る流れになります。手順はサービスごとに異なるため、各サービスの公式案内を確認してください。受け取りが完了する前に旧端末を初期化すると、残高の扱いが難しくなります。
キャリアのメールアドレスは機種変更後も使えますか?
同じ通信会社のままであれば引き続き使えます。会社を変える場合は、有料の持ち運びサービスに申し込まないと使えなくなります。料金と条件は各社で異なり変更されることもあるため、最新の内容を各社の公式サイトで確認してください。メールアドレスを登録しているサービスがある場合は、変更手続きもあわせて必要になります。
使わなくなったiPhoneはどうすればいいですか?
買取に出す、サブ端末として残す、下取りに出すの3つが選択肢になります。売る場合は機種変更の直後がいちばん高く手放せるタイミングです。相場は新しい機種が出るたびに下がるためです。出す前に探す機能をオフにし、アカウントからサインアウトしたうえで初期化まで済ませてください。画面割れや動作の不調があっても値がつく場合があります。
最終更新:(リンクサスモバイル 今井一輝 監修)。設定名や手続きの条件はiOSのバージョンと通信会社により異なる場合があります。

