iPhoneのバックアップ完全ガイド!パソコンなし&ありの方法を徹底解説

iPhoneは私たちの生活に欠かせない便利なデバイスですが、紛失や故障といったトラブルが起こると、大切なデータが失われる可能性があります。 そのため、日頃から定期的にバックアップを取ることが重要です。
バックアップを取っておけば、万が一iPhoneを紛失してしまった場合や、予期せぬ故障が発生した場合でも、データを簡単に復元することが可能です。
また、機種変更の際にもスムーズにデータを引き継ぐことができ、手間を減らせます。
iPhoneのバックアップ方法にはiCloudを利用する方法と、パソコンを使う方法の2種類があります。
本記事では、パソコンを使ったバックアップの方法や、そのメリット・デメリット、注意点について詳しく解説します。
バックアップの重要性を理解し、自分に合った方法で大切なデータを守りましょう。
MacでiPhoneのバックアップを作成する方法
ケーブルを使ってMacとiPhoneを繋ぐ
パソコンでiPhoneのバックアップを取るためには、対応したパソコンと接続するためのケーブルが必要になります。まずはiPhoneの充電ケーブルを使って、iPhoneをMacのUSBポートに接続しましょう。
なお接続をした際に、iPhoneの画面上に「このコンピュータを信頼しますか?」という表記が出る場合があります。警告表示がされた際には、画面内の指示に従いながら「信頼」をタップして、次の手順に進みましょう。
FinderからiPhoneを選択
macOS 10.15以降を搭載したパソコンでは、「Finder」からiPhoneのバックアップができます。まずはFinderのウィンドウを開き、バックアップをとりたいiPhone端末を選択しましょう。
※お使いのMacOSがFinderに対応していない場合は、iTunesを使ってiPhoneのバックアップを作成できます。iTunesを使ったバックアップの作成方法は、Windows PCでバックアップを作成する手順の項目で詳しく解説します。
「一般」タブ→今すぐバックアップを選択
Finderのウィンドウで①「一般」タブを選択し、②「iPhone内のすべてのデータをこのMacにバックアップ」を選択します。
③「今すぐバックアップ」をクリックすると、バックアップがスタートします。
なおバックアップを取る際に、「iPhoneのバックアップを暗号化しますか?」と表示される場合があります。
暗号化をすることで、Wi-Fiの設定や保存済みパスワードなど、機密情報に関するデータのバックアップも保管が可能になります。
暗号化の際には、パスワードの設定が必要になります。暗号化したデータはパスワードがないと復元できないので、忘れないようにしましょう。
バックアップ完了
一定時間が経過すると、バックアップが完了します。
なおバックアップ完了までには数十分と長い時間を要する場合もあります。バックアップ作業の前には、パソコンやiPhone端末を十分に充電しておくようにしましょう。
WindowsパソコンでiPhoneのバックアップをとる方法
ケーブルを使ってWindowsパソコンとiPhoneを繋ぐ
Windowsパソコンの場合でも、iPhoneのバックアップをパソコン上に保存できます。まずはパソコンとiPhone端末を、ケーブルで繋ぎましょう。
iTunesアプリから「iPhone」ボタンを押す
Windowsパソコンや、Finderでのバックアップに対応していないMacの場合は「iTunes」や「Appleデバイスアプリ」でiPhoneのバックアップを取ることができます。
ケーブルを繋いだままiTunesを開くと左上あたりのiPhoneのボタンが表示されるので、こちらをクリックしましょう。
「概要」タブ→「今すぐバックアップ」を選択
「概要」タブ(Appleデバイスアプリの場合は「一般」)から「今すぐバックアップ」を選択すると、バックアップが開始します。
iTunesを使ったバックアップの場合も、Finderの場合と同様にデータの暗号化ができます。パスワードの設定が求められるので、忘れないようにしましょう。
バックアップ完了
一定時間が経過すると、バックアップが完了します。
パソコンでバックアップを取る際の注意点
バックアップの暗号化でデータを安全に守ろう
バックアップの暗号化は、個人情報や機密データの保護に役立ちます。
特に、パスワード、Wi-Fi設定、ヘルスケアデータ、アプリのログイン情報などは、暗号化しないと保存されません。
- iTunes(またはFinder)を開く
- iPhoneをPCに接続(USBケーブルで接続)
- 「バックアップの暗号化」にチェックを入れる
- 安全なパスワードを設定する(このパスワードを忘れると、復元できなくなるため注意!)
- 「今すぐバックアップ」を実行
バックアップを暗号化することで、第三者にデータを盗み見られるリスクを減らせます。
また、機種変更の際にアプリのログイン情報をそのまま引き継げるため、再設定の手間も省けます。
定期的なバックアップでデータを最新に保つのが◎
バックアップは「1回取れば安心」ではありません。最新のデータを保護するには、定期的なバックアップが不可欠です。
万が一のデータ紛失や、iPhoneの故障・紛失に備えるためにも、最低でも月1回、可能なら週1回のバックアップをおすすめします。
定期的なバックアップのメリットは以下の通り。
- 写真や動画の紛失を防ぐ(特に旅行やイベント後のバックアップが重要)
- アプリのデータを最新の状態で保存できる
- iOSのアップデート時のトラブルに備えられる
- 機種変更時にスムーズにデータ移行できる
特に、iOSアップデート前はバックアップを取るのが鉄則!
アップデートによる不具合でデータが消えるリスクもあるため、必ず最新のバックアップを取っておきましょう。
不要なバックアップは削除・整理しよう
バックアップは、パソコンのストレージを圧迫する原因にもなります。
不要なバックアップを削除し、必要なデータをすぐに復元できるよう整理することが重要です。
- iTunesを開く
- 「編集」→「環境設定」→「デバイス」を選択
- 不要なバックアップを選択し、「削除」をクリック
- Finderを開く
- 「環境設定」→「管理」→「バックアップ」を選択
- 不要なバックアップを削除
バックアップ管理のポイントは以下の通り。
- 最新のバックアップがどれかを確認する(最も新しいもの以外は削除してもOK)
- 外付けHDDやクラウドストレージにコピーしておく(PCの容量が不足しがちな人向け)
- 複数のデバイスを使っている場合、それぞれのバックアップを分けて管理
定期的にバックアップを整理し、パソコンの容量を節約しながら、必要なデータを確実に守りましょう!
パソコン上のデータを安易にいじらない
パソコンから「Finder」や「Appleデバイスアプリ」「iTunes」などでバックアップを取る際には、パソコン内に自動的に「Backup」が作成され、そこにデータが保存されます。なおBackupフォルダの正確な場所は、オペレーティングシステムによって異なります。
パソコン上からBackupフォルダをコピーすることはできますが、不用意に他のフォルダや外付けドライブなどに移動したり、勝手にファイルやコンテンツの名前を変えることはNGです。データ破損やデータ流出の原因にもなりかねないので、行わないようにしましょう。
バックアップデータの検索や古いデータの削除は、Finderなどの画面上から行うことができます。
パソコンのバックアップからiPhoneを復元する方法
iPhoneからiPhoneへ機種変更をした場合や、iPhoneを初期化した場合などは、過去のバックアップからデバイスを復元できます。
【関連リンク】iPhoneを売る時の準備とは?初期化の方法や高く売るためのコツを紹介
パソコンを使って復元をする場合、MacならFinder、WindowsならAppleデバイスアプリ(もしくはiCloud)から復元作業を行います。
バックアップの際に使用していたページを開くと、「iPhoneを復元」というボタンがあるのを確認できます。iPhoneとパソコンを繋いだ上でこのボタンを押すことで、バックアップから復元作業を行うことができます。
ちなみにバックアップからの復元作業には、時間がかかる場合があります。途中で再起動などが行われることもありますが、復元作業が完全に終了するまでは電源を抜いたり切ったりしないようにしましょう。
iPhoneのバックアップがうまく取れない場合は?
紹介した手順を試してもiPhoneのバックアップがうまく取れないという場合は、以下の点を確認してみましょう。
- パソコンとiPhoneがケーブルで繋がっているか
- データ転送に対応したケーブルを使っているか
- パソコンにバックアップを保存できる空き容量があるか
- OSやiTunesのバージョンが最新版になっているか
- パスワードや暗証番号は正しいものを入力したか
パソコンでiPhoneのバックアップを取る場合、まずはケーブルで正しく接続する必要があります。パソコンとiPhoneがきちんと繋がっているか、再度きちんと確認しましょう。
特に正規品ではないケーブルを使っている場合、充電はできてもデータの転送ができないというトラブルが起こることがあります。
またケーブルがきちんと繋がっていても、パソコン上に空き容量がないとバックアップが始まらない、もしくは始まっても中断されてしまうことがあります。不要なデータを削除するなど、パソコン上のディスクの空き容量をしっかりと確保しておきましょう。
ケーブルを繋いで容量を確保したのに正しくバックアップが行われない場合は、OSやiTunesなどが最新版になっていない可能性があります。OSのバージョンを確認し、バージョンが最新であるかをきちんと確認、最新でない場合はアップデートをしておきましょう。
<iOSバージョン確認方法>
「設定」→「一般」→「ソフトウェアアップデート」を開き確認する
なおバックアップを取る際やバックアップを復元する際には、iPhoneの暗証番号やバックアップのパスワードを尋ねられることがあります。暗証番号やパスワードが間違っていると、動作が正しく行われないので注意しましょう。
- パソコンやiPhoneを再起動してみる
- セキュリティソフトを一時的に無効にする
どうしてもバックアップがうまく始まらないという時は、パソコンやiPhoneの再起動でうまくいくことがあります。原因が見当たらないのに動作がうまくいかないという場合は、一度再起動を行ってみましょう。
またパソコンの環境によっては、セキュリティソフトが干渉しバックアップが正常に行われないことがあります。このような場合はセキュリティソフトを一時無効にし、バックアップを行うようにしましょう。
※バックアップ終了後にセキュリティソフトを再び有効にすることを忘れないようにしましょう。
パソコンを使ってバックアップをとるメリット・デメリット
メリット①低コストで多くのデータを保存できる
iPhoneのデータのバックアップ取るためには、多くの容量が必要になります。大容量データをiCloudでバックアップしようとすると、多くの費用が発生する場合があります。
一方でパソコンなら、iCloudに比べて安価でデータを保存できます。データが大きければ大きいほどコストがかかりますが、パソコンのストレージならiCloudよりも低コストで多くのデータを保管ができます。
またパソコンでバックアップを取る場合、通話履歴やカレンダーアプリのデータなどもバックアップを取ることができます。
メリット②インターネット環境がなくてもバックアップ可能
パソコンでバックアップを取る場合は、ケーブルを繋いでデータをやり取りします。iCloudと違ってインターネットの回線を介さないため、インターネット環境がなくてもバックアップを取ることができます。
引越しや通信トラブルでインターネに繋がらない場合なども安心です。
メリット③データ流出のリスクが少ない
インターネットを介さずにバックアップが取れるということは、データ流出のリスクがすくないということでもあります。
ローカルにバックアップデータを保存しておくことで、他のデバイスから簡単にアクセスできなくなります。
デメリット①PCや専用のケーブルが必要
パソコンでバックアップを取るためには、自身のPCが必要になります。インターネットカフェなどの共用PCではバックアップを取れないので、注意しましょう。
またiCloudでのバックアップとは異なり、接続するためのケーブルも用意しておく必要があります。
デメリット②こまめに接続する必要がある
パソコンでバックアップを取るためには、その都度ケーブルでパソコンとiPhoneを繋ぐ必要があります。
日常的にパソコンを起動したり、iPhoneを接続したりする習慣のある方には向いていますが、普段はパソコンのスイッチをつけないという方には、やや手間に感じることがあるでしょう。
一方でiCloudなら、Wi-Fi環境があれば、iPhoneを充電ポートに刺しておくだけで自動的にバックアップをとってくれます。
パソコンをこまめに起動する習慣がない、いつでも自由に使えるWi-Fi環境があるという方は、iCloudでのバックアップも検討してみましょう。
iCloud(パソコンなし)でiPhoneのバックアップを取る方法
「設定」→「自分の名前」→「iCloud」を選択
パソコンがない方や日常的にパソコンを立ち上げる習慣がない方でも、iCloudを使えばiPhoneだけでバックアップを取ることができます。
iPhone上の「設定」ページから「自分の名前」を選択し、「iCloud」のページを開きましょう。
「iCloudバックアップ」をONにする
iCloudバックアップのページを選べば、バックアップに関する設定を選ぶことができます。①「このiPhoneをバックアップ」を右にスライドしONの状態にすると、自動バックアップが行われるようになります。
iCloudバックアップがONになっていると、iPhoneが電源に接続され、Wi-Fiに繋がった状態でロックされている場合にクラウド上に自動的にバックアップが作成されるようになります。
また手動でバックアップをすぐにとりたいという場合は、②「今すぐバックアップを作成」から行うことができます。
なおiCloudでバックアップを取る場合は、常に暗号化されるようになっています。
バックアップ方法を徹底比較!iCloud vs PC(パソコン)
iCloudバックアップとPCバックアップの違い
項目 | iCloudバックアップ | PC(パソコン)バックアップ |
---|---|---|
バックアップ方法 | 自動(Wi-Fi接続時) | 手動(PCに接続) |
ストレージ容量 | 5GBまで無料(追加容量は有料) | PCの空き容量次第(制限なし) |
インターネット | 必要(Wi-Fi環境が必須) | 不要(オフラインでも可能) |
データの保存場所 | Appleのクラウド | PCの内部ストレージや外付けHDD |
復元のしやすさ | インターネット環境があればどこでも可能 | バックアップしたPCが必要 |
セキュリティ | Appleの管理下で保護 | 暗号化バックアップ可能(PC次第) |
保存できるデータ | 設定、アプリ、メッセージなど一部データ(完全ではない) | すべてのデータ(アプリデータも含む) |
手軽さ | ◎(自動で簡単) | △(手動で接続が必要) |
コスト | 5GB超過で有料(月額課金) | 無料(PCの容量が許せば) |
iCloudとパソコンでのバックアップには、それぞれ上記のような特徴があります。
iCloudは手軽で便利ですが、無料で使える容量が限られており、大容量データのバックアップには不向き。一方、PCバックアップはストレージの制限がなく、インターネット不要でデータを安全に管理できるのが魅力です。
あなたにピッタリなのはどっち?
iCloudバックアップが向いている人
- 「とにかく手軽に自動バックアップしたい!」
- 「Wi-Fi環境が整っていて、追加のストレージ料金を払ってもOK」
- 「どこでもデータ復元できるようにしておきたい」
PCバックアップが向いている人
- 「無料で大容量のバックアップを取りたい!」
- 「Wi-Fiがない場所でも復元できるようにしておきたい」
- 「より安全にデータを保管したい(暗号化バックアップが可能)」
どちらを選ぶかは、あなたの使い方次第! 「簡単さ」重視ならiCloud、「安全&大容量」重視ならPCバックアップが最適です。
両方を併用すると、より安心してiPhoneを使い続けられることでしょう。
Q&A:iPhoneバックアップに関してよくある質問

Q1: iPhoneのバックアップをパソコンに保存する際、どれくらいの容量が必要?
iPhoneのストレージ容量が大きいほど、バックアップファイルのサイズも大きくなります。特に、写真や動画が多い場合は、数十GB以上の空き容量が必要になることも。
バックアップを保存する際は、最低でもiPhoneの使用容量と同じか、それ以上の空き容量を確保しましょう。
推奨ストレージの目安
- iPhone 64GBモデル → PCの空き容量100GB以上
- iPhone 128GBモデル → PCの空き容量150GB以上
- iPhone 256GB以上 → 外付けHDDやSSDの使用を推奨
PCのストレージが不足している場合、外付けHDDやクラウドストレージを活用するのもおすすめです!
Q2: iCloudとパソコン、どちらでバックアップを取るのがいい?
iCloudはWi-Fi接続時に自動でバックアップを取れるため、手軽さを重視する人に最適。
一方、パソコン(PC)バックアップはストレージ容量の制限がなく、インターネット不要で安全にデータを管理できるメリットがあります。
手軽さならiCloud、大容量データの保存やオフラインでの管理を重視するならPCがおすすめ。
両方を併用することで、万が一のデータ損失にも安心です!定期的なバックアップで、大切なデータを守りましょう。
Q3: バックアップを取った後にデータが消えた!復元する方法は?
バックアップ後にデータが消えた場合、iTunes(Windows)またはFinder(Mac)を使って復元できます。
復元手順:
- iPhoneをパソコンに接続し、iTunesまたはFinderを開く
- 「バックアップから復元」を選択し、最新のバックアップデータを指定
- 復元を開始し、完了するまで待つ(時間がかかる場合あり)
注意点:
- 暗号化バックアップの場合、復元時にパスワード入力が必要
- 最新のバックアップがないと、最近のデータは復元不可
- バックアップが破損している場合、復元できないことも
ちなみにiCloudバックアップを使う場合は、iPhoneを初期化→iCloudから復元の手順が必要です。
定期的なバックアップで、データ損失に備えましょう!
まとめ
iPhoneのバックアップは、「iCloud」と「パソコン」の2つの方法で行うことができます。
iCloudは自動でバックアップできる便利さがある一方で、ストレージの制限やインターネット環境に依存するデメリットもあります。一方、パソコンでのバックアップはストレージの容量を気にせず、安全にデータを管理できる点が大きな魅力です。
ただし、パソコンでのバックアップは手動で行う必要があり、バックアップを取る習慣をつけることが大切です。定期的にバックアップを取ることで、機種変更時のデータ移行がスムーズになり、万が一のトラブル時にもすぐに復元できます。
最も安全なのは、iCloudとパソコンのバックアップを併用すること!
日常的なバックアップはiCloudに任せ、定期的にパソコンでもフルバックアップを取ることで、データ消失のリスクを最小限に抑えられます。
大切なデータを守るために、今日からバックアップを習慣化しましょう。